町長日記(令和4年)

更新日:2023年03月27日

高齢者スマホ教室(令和4年12月)

平成23年から2年に1度、町民1000人に対して住民満足度調査を行っている。この調査項目に令和元年から「携帯電話の所有状況」を加えた。それによるとスマートフォン・タブレット等の所有は、60・1%から令和3年の調査では68・5%に増加し、ガラパゴス携帯は27・3%から19・9%に減少した。徐々にスマートフォンへの移行が進んでいることが窺える。
実際、身近にいる高齢者は結構スマートフォンやタブレットを使っている。しかし、使い方が限られていて、さらに便利な機能を知らない人も多いようだ。そこで、11月8日、サツドラ本社の協力を得て、社会教育講座として高齢者のための「スマホ教室」を開催した。
16名の方が参加されたが男性は私だけだった。最初に司会者がスマホ歴を尋ねると半年から1年という方もおられた。教室では主にラインのさまざまな使い方が伝授された。終わって感想を聞くと、「よく分かった」「参考になった」「また開いてほしい」という声が聞かれた。
人口3000人の町、福島県磐梯町でCDO(最高デジタル責任者)を務める菅原直敏氏は「自治体DX(デジタルトランスフォーメーション)」を進めるにあたってこう話している。「デジタル技術は手段であって目的ではない。デジタル技術の活用で重要なのは、技術の理解ではなく技術の使いやすさです。また使いたい、使ってみてよかったと思われることが大切」と言う。
情報通信技術は速いスピードで進化し、横文字も多くなり、その意味を考えているうちに話についていけなくなってしまうこともある。この先、スマートフォン一つでさまざまな分野の課題が解決できるようになるという。上手に便利に使いながら、この先のデジタル社会を楽しんでいただきたいと思う。

マイナンバーカード(令和4年11月)

8月19日、第12回津別町市街地総合再生基本計画推進協議会が開催された。6月にこの協議会内に運営検討チームが設置され、現在進めているスーパー、図書館、交通拠点の複合施設の運営について検討内容が報告された。その中に津別高校生からの意見も数多くあり、期待する半面次のような記述もあった。「わざわざ町外から来るはずもなく、人口流出が嘆かれる今、利益は生じないと思う」「本当に必要なのか。町内の商店の首を絞めるのではないか」。
6月の北海道新聞経済欄に「漏れバケツをふさぐ。地域経済の新たなあり方」が5回連載された。地域内でお金を循環させ、町を活性化させる方法として、根室市や下川町、長沼町、ニセコ町などの事例が紹介されていた。
域内循環とは、たとえば稼いだ100万円の収入を町内で8割使うとすると、1巡目で80万円、2巡目で64万円、3巡目で51万2千円となり、合計295万2千円の経済効果が生まれる。これが2割だと、1巡目で20万円、2巡目で4万円、3巡目で8千円となり、合計124万8千円の経済効果しか得られない。いったん地域に入ったお金をどれだけ町内で循環させ滞留させるかが、町内経済にとって重要である。そのためには町内で消費する場所を整える必要がある。そうした場所が少なければ、あるいは少なくなれば、近隣の市や町で消費せざるを得なくなる。イギリスでは20年前から地域内の経済循環を意識したまちづくりが進められているという。
記事では、市内での買物を促すため、市と商店連合会がポイントカード事業を展開し、出産や防災訓練への参加なども対象に加えた根室市の取り組みなどが紹介されていた。「観光振興や工場誘致に力を入れ、補助金がつぎ込まれてきたのにもかかわらず、多くの地域が疲弊してきたのはなぜか」。その一つの解決方策が域内循環だと思う。

まちなか再生事業(8)(令和4年10月)

8月19日、第12回津別町市街地総合再生基本計画推進協議会が開催された。6月にこの協議会内に運営検討チームが設置され、現在進めているスーパー、図書館、交通拠点の複合施設の運営について検討内容が報告された。その中に津別高校生からの意見も数多くあり、期待する半面次のような記述もあった。「わざわざ町外から来るはずもなく、人口流出が嘆かれる今、利益は生じないと思う」「本当に必要なのか。町内の商店の首を絞めるのではないか」。
6月の北海道新聞経済欄に「漏れバケツをふさぐ。地域経済の新たなあり方」が5回連載された。地域内でお金を循環させ、町を活性化させる方法として、根室市や下川町、長沼町、ニセコ町などの事例が紹介されていた。
域内循環とは、たとえば稼いだ100万円の収入を町内で8割使うとすると、1巡目で80万円、2巡目で64万円、3巡目で51万2千円となり、合計295万2千円の経済効果が生まれる。これが2割だと、1巡目で20万円、2巡目で4万円、3巡目で8千円となり、合計124万8千円の経済効果しか得られない。いったん地域に入ったお金をどれだけ町内で循環させ滞留させるかが、町内経済にとって重要である。そのためには町内で消費する場所を整える必要がある。そうした場所が少なければ、あるいは少なくなれば、近隣の市や町で消費せざるを得なくなる。イギリスでは20年前から地域内の経済循環を意識したまちづくりが進められているという。
記事では、市内での買物を促すため、市と商店連合会がポイントカード事業を展開し、出産や防災訓練への参加なども対象に加えた根室市の取り組みなどが紹介されていた。「観光振興や工場誘致に力を入れ、補助金がつぎ込まれてきたのにもかかわらず、多くの地域が疲弊してきたのはなぜか」。その一つの解決方策が域内循環だと思う。

地球が危ない(令和4年9月)

7月14日、NHKエンタープライズプロデューサー堅達京子氏の講演を聞く機会があった。内容は気候変動についてである。地球の平均気温が2度前後上がるあたりから物理の法則により温暖化が加速し、ドミノ倒しのように後には戻れなくなるという。氷河が解けてメタンガスが発生し、二酸化炭素により温暖化が進んでいく。科学者は2100年には1・5度アップすると予測していたが、「早ければ2030年にも」に変わった。そこでパリ協定で1・5度に抑えるのを努力目標とされていたものが、COP26で正式に世界の目標になった。つまり1・5度が人類にとって生きるための防衛ラインになったのである。
地球上で暮らしているのは人間ばかりではない。生物多様性といわれるように、さまざまな生き物が相互に関連し合いながら生存に必要な環境を形成している。その環境が破壊されれば人間も生きられなくなり、社会も経済も成り立たなくなる。
スウェーデンの環境活動家グレタさんは、8歳の時に学校で見た環境問題に関する映画に強い衝撃を受け、拒食症になった。すぐに何かしなければ自分たちの未来はなくなると思い、15歳の時から毎週金曜日にスウェーデンの国会議事堂前に一人座り込みを行った。これがマスコミの目にとまった。そして彼女と同じ世代が「大人は信用できない。自分たちの未来は自分たちで何とかしなければ」と声を上げ始めた。
いま、世界では山火事が多発している。アマゾンでも、オーストラリアでもインドネシアでも、そしてシベリアでも。また、ロシアのウクライナ侵攻で多くの武器から二酸化炭素が排出されている。パキスタンでは気温51度を記録し、世界のあちこちで40度を超える猛暑が常態化している。
2030年までが正念場であり、脱炭素の取り組みはまさに時間との戦いになった。

もう一つの銘菓「津別峠」(令和4年8月)

6月13日、船橋市から一般社団法人honeybeeの代表理事西島希美さんが町長室にやってきた。持参された箱を開けると、しのはら菓子店の銘菓「津別峠」が新たなパッケージに包まれていた。
地方創生事業を展開する中で、つながりの深い船橋市から、心強い移住者が何人もやってきた。そして、インターネットテレビ局や、空き家をリノベーションした障がい者グループホームなどを開設された。そのつながりで、船橋市から津別町を訪れた方たちが、お土産に持ち帰った「津別峠」が美味しいと評判になった。
今回、船橋市を中心に居宅介護や重度訪問介護、移動支援、就労支援などを展開しているミツバチを意味する
「honeybee」が、しのはら菓子店に教えを請い、6月14日に船橋市の「そやこい工房」から船橋版「津別峠」の発売を開始した。
箱にはこんなリーフレットが添えられていた。「夏は40度、冬はマイナス30度にも達する厳しい自然の中にある津別町は、過疎化が著しく、人口減少と超高齢化が進み、伝統の味を次世代につなぐことが難しくなっています。私たちhoneybeeグループは、船橋市と津別町の35年にわたる青少年交流事業でのネットワークをベースに、津別町の町役場や町民の方々との交流を深めてきました。日本の伝統芸能や技術の継承がますます難しくなっている現代社会において「津別峠」を受け継ぎ、津別町のまちづくりや観光に貢献していきたい!創立100年以上の「しのはら」の伝統と、津別船橋交流の想いがたっぷり盛り込まれた焼菓子とともに、オホーツクの大自然、津別町津別峠の魅力を知っていただければ幸いです」
何ともうれしいメッセージである。もともとこの「津別峠」は日持ちし、味もよいと評判だった。船橋市の松戸市長にも報告したところ、また津別に行きたいとたいへん喜んでおられたそうである。

まちなか再生事業(7)(令和4年7月)

これまでまちなか再生事業に限らず、総合計画や地域公共交通計画などの策定については、都度町民アンケートを実施し、そのいずれにも消費動向に関する問いを設けてきた。先月の広報では、町民46世帯の協力を得て昨年の夏秋冬に実施した家計消費調査の分析結果を公表した。一般社団法人集落自立化支援センターに委託して行ったもので、まず目についたのは、どの世代においても年間支出累計額は「保険税金」の項目が突出して多く、「食と住」の合計額とほぼ一致するほどだった。いざという時への備えを優先している。
また、町外での購入の多さは、これまでの調査とほぼ同様の結果だった。地域公共交通計画策定時には、宅配サービスや移動販売車に対する質問も設けた。これに対する回答は、「直接見て買えないことへの不安」や「積極的に利用しようとは思わない」が多く、商品の価格についてはなぜか6割以上が無回答だった。
今回実施した家計消費調査は、単なる分析だけでなく、地域経済を回していくため町外支出を町内に向けさせる施策の検討材料も示されている。たとえば、野菜や肉などの町内流通環境の整備、飲食店の開業・事業拡大への支援、ポイント付与を活用した町内消費促進キャンペーンなど、取り戻し可能な推定金額も示されている。
津別町商工会の「経営発達支援計画」の現状と課題においても、「消費の域外流出による小規模事業者の弱体化や経営者の高齢化により地域経済の悪化が続いている」とし、「域外からの購買力の獲得に向けたDX(デジタル化)の推進が必要であり、そのためのスキルの向上も必要」としている。
町に引っ張ってきたお金、落としていったお金を地域内で循環させることは大切なことだが、同時に「いかに地域から出ていくお金を減らすか」も重要な視点であり、買物環境の整備が必要である。

まちなか再生事業(6)(令和4年6月)

地方創生の幕開けを前にした平成26年夏、長く津別町で合宿している筑波大学ラグビー部部長に、町の再生に協力していただける先生の紹介を依頼した。間もなくしてシステム情報工学研究科の大澤先生が紹介され、研究室の大学院生とともに打合せに来町された。これが現在進めている「まちなか再生事業」の出発点である。
以後、津別高校生とも連携し、さまざまなデータを分析して町の方向性づくりに関する研究が3年間続いた。そして、初年度の研究成果は、国の地方創生本部が募集したアイデアコンペで、石破大臣から最優秀賞を授与された。
平成27年3月には、若者世代を中心にまちづくりを考えようと、水上隆さんを会長に「まちなか再生協議会」が発足した。まずは、1年ほど町民にも参加を呼びかけ勉強会が続いた。「建築ストックを活用して人の流れを変える」「コンパクトシティ、津別で考える小さな拠点」「高齢者住宅の事例からまちなか居住を考える」「歴史まちづくりは津別で可能か」などをテーマに、筑波大学の先生たちが次々と来町され、学びの場を提供していただいた。また、大学院生によるゼミ合宿や発表会、Jリーグ鹿島アントラーズ社長もゲスト出演した「まちなか再生キックオフシンポジウム」など、多彩な活動を展開してきた。
こうした流れを踏まえ平成30年、「津別町複合庁舎建設等まちなか再生基本計画」が策定され、その後、議会特別委員会、図書館建設検討委員会、市街地総合再生基本計画策定委員会・推進協議会などが連続して設置され今日に至っている。これにまちづくり懇談会や住民説明会、さらに町民意向調査などを含めると、この8年間で一人分の会議資料等はおそらく1mほどになるのではないだろうか。町民の皆さんには、できる限り情報を提供してきたつもりであり、これからもそうしたい。

まちなか再生事業(5)(令和4年5月)

平成29年3月に策定した「公共施設等総合管理計画」は、人口減少が進む中、30年後(令和28年度)までに、公共施設を適正な規模にしていこうとするもので、今年3月に最新版に改訂した。計画がスタートして5年になるが、これまで、ごみ最終処分場の建替え、水道導水管の更新、法定耐用年数を超えて延長使用する津別小学校の長寿命化、全体面積を縮小しての複合庁舎建設、老朽化した町営住宅や職員住宅の解体など、計画に沿って事業を進めている。
この「公共施設等総合管理計画」は、総務省が人口の減少と低密度化、少子高齢化が進展する中にあって、過去に建設した公共施設の更新時期が一斉に到来し、一方で社会保障関係費の増加により、投資的経費が抑制傾向にあることから、令和28年度までに長期的な視点をもち、公共施設の「更新・統廃合・長寿命化」を計画的に実施するよう全国の自治体に要請したものである。
そして国は、これに対する市町村への財政支援として、平成29年度に「公共施設等適正管理推進事業債(略称「公適債」)」という交付税措置のある借入制度を用意した。対象事業は、建物などの集約化・複合化、長寿命化、他用途への転用、コンパクトシティの形成に向けた立地の適正化、ユニバーサルデザイン化となっている。現在進めている「まちなか再生事業」も、この資金の対象の一部になるため、国の補助金はもとより、交付税措置がさらに手厚い過疎債を含め、公適債も有効に活用して事業を進めることとしている。
また、この計画に関連し、少し遅れたものの「個別施設計画」を今年度中に策定する。公共施設の中で、もっとも多いのが町営住宅だが、最近の空き家バンクの取り組み、町内企業の動き、銀行情報を総合すると、住宅は不足気味のようだ。そのため、まちなか再生事業にも関連させて検討を始めている。

まちなか再生事業(4)(令和4年4月)

小規模自治体にとって財政見通しの説明はたいへん難しい。それは歳入の半分ほどを占める国から交付される地方交付税の動向に大きく左右されるからだ。
かつて津別町が北見市、端野町、留辺蘂町、常呂町と合併協議を行ったが、この時代、国の三位一体改革により、将来にわたって自治体を単独で維持することは困難として、全国の多くの市町村が合併へと舵を切っていった。津別町は住民投票の結果、自立の道を選択し、平成18年に自主自立のための財政計画を策定した。これには1市4町の合併協議の際に使用した財政見通しを参考に地方交付税を見積もったが、2年ほどして交付額は下がるどころか増加した。その要因は、平成20年にリーマンショックが起こり、その対策としてふつう交付税が増額され続けたことによる。
また、歳出の見直しを進めたこととも相まって、財政は好転した。自主自立計画策定時の取崩し可能な基金の残高は23億円で、計画最終年度の平成26年度には、3億円を切ると予想していた。ところが、基金残高は46億円に増加し、令和2年度末では51億円になった。現在進めているまちなか再生事業は、この基金のうち公共施設等整備基金と減債基金の一部を活用して進めていて、令和2年度末でこのふたつの基金の残高は20億円になっている。
さらに今、新型コロナウイルスの収束が見えない中、デジタル化社会への加速を目指すなど、再びふつう交付税が増額されている。地方にとってはたいへんありがたいが、一方で国の借金増に不安が募る。
さて、第2段階に入ったまちなか再生事業は、当初予定していた国交省の補助金は期日までに申請できなったが、その後申請した内閣府の交付金が、3月10日に交付決定の内示を受けた。朗報を得てスーパー、図書館、交通ターミナルの複合施設建設が始まる。

まちなか再生事業(3)(令和4年3月)

まちづくりには、公共交通網の整備が欠かせない。つまり地域公共交通は目指すべき町の姿を実現するための「手段」として位置づけられる。
地域公共交通計画は利用者の意見を組み入れ、行政が主体的に決定し、必要なサービス水準を提示して民間にゆだねる路線、委託する路線、直営路線、社会福祉協議会やNPO等にゆだねる路線を仕分けして策定される。
津別町は、平成21年3月に、北見工業大学高橋先生の協力を得て、「津別町地域公共交通総合連携計画」を策定し、終期である令和元年度までに、開成線の民間バス会社への経営移譲、相生線と上里線の混乗スクールバス化や一部フリー乗降など、新たな運行体系に再編整備したほか、福祉有償運送も着実に定着してきた。
その後、令和3年3月に、本町出身で地域公共交通マイスターでもある為国氏の協力を得て、令和7年度を終期とする「津別町地域公共交通計画」を新たに策定し、まずは昨年12月に「花バス」の運行と、75歳以上の方へのタクシー利用助成を開始した。
また、平成21年3月には、歩いて暮らせる木の住まいづくりをテーマに、「津別町住生活基本計画」を策定し、これまで中心市街地にプロポーザルによるまちなか団地などの建設や、民間による集合住宅建設の助成を行ってきた。これらは、人口減少に対応しコンパクト化を目指すまちづくり政策であり、その延長線上に現在の「まちなか再生事業」がある。
空洞化が進む町を、できるだけ中心市街地に寄せ、そこに必要な施設を建設し町に賑わいと町民の利便性を高めていく計画であり、SDGSの考えにも合致する。買物環境はもとより、図書館や洒落た休憩施設を整えることにより、バスの待ち時間を有効に活用でき、利用者にとって新しい魅力的な移動のスタイルを提供することができる。町は未来に向かって変化を続けている。

まちなか再生事業(2)(令和4年2月)

12月定例議会の一般質問で、「関係人口」について質問があった。徳島大学の田口先生の言葉を借りると、「関係人口とは、「観光以上、移住未満」で、地域との関わりを持とうという都市住民との連携を模索するもの」という。
移住した定住人口でもなく、観光に来た交流人口でもなく、地域と多様にかかわる人たちを指す言葉と定義づけられている。国土交通省では、関係人口は「訪問系」とふるさと納税などで間接的にかかわる「非訪問系」に分かれるとし、訪問系は、さらに「直接寄与型」「就労型」「参加・交流型」などに細分化されるという。
津別町は、平成27年にスタートした国の地方創生事業の前年に、長くラグビー合宿で交流のある筑波大学を関係人口と捉え、まちなかの再生を研究する協力を要請した。快諾を得て3年間、大澤先生を中心に多くの大学院生が来町し、今日の「まちなか再生計画」のベースをつくっていただいた。
また、昭和の時代に関係をつくった船橋市とは、市長や青少年交流協会の協力により、市からの移住者がインターネットテレビ局や障がい者グループホームなどを開設した。そして、全国各地からやって来た地域おこし協力隊の方たちの起業も続いている。
また、町のホテルの指定管理者である札幌の会社からは、ドラッグストアの誘致にさりげなく協力をいただいた。津別町が持つさまざまな関係(ネットワーク)を生かしながら、町の再生に向けた取り組みを進めている。
明治大学の小田切先生は、関係人口が生まれた背景には、市町村の移住政策担当者が、「移住する」か「移住しない」かの二元論で都市住民を見ていたことの反省があるという。ふだんからさまざまな形で人を受け入れ、協力をし合いながら、自分たちの町を盛り上げていくことが、この町の土着民として大切なことだと思う。

まちなか再生事業(1)(令和4年1月)

12月1日、臨時議会でまちなか再生に関する補正予算案が否決された。まちなか再生事業は、人口が減少する中、市街地をコンパクトに再整備し、そこに必要なものを配して賑わいを取り戻していこうとするものである。
それが、いつの間にかドラッグストア棟に焦点が向けられ、不要論が出始めた。地元商店への影響、公設民営よる町財政に対する影響、撤退の懸念などが論点になった。一方、9月に10か所で開催したまちづくり懇談会で、市街地から20キロ離れた相生地域からは、「ドラッグストアは子育てにも、遠く離れたわれわれにも必要な施設」。活汲地域からは、「高齢者ばかりでなく、もっと若い中学生の意見も聞くべき」、「全体計画は基本的に賛成。疑問は解いてあげて欲しい」などの意見が出された。
言葉は切り取られて表現されることがある。「町民の6割が反対している」。これに11月の住民懇談会では、若いお母さんから「それはアンケート提出者の中の割合で、町民全体のことではありませんね」との発言もあった。臨時議会では、「町長は、ドラッグストアは赤字になるところには出店しないと発言している」との発言があったが、単に店舗の出店だけでなく、デジタル分野に明るい会社であることから、町の未来事業への共同に期待したいという趣旨の言葉が消えてしまっていた。
臨時議会で認められなかった補正予算は、ドラッグストア部分の設計費を除き再提案し、12月定例議会で承認された。これによってドラッグストアを断念したということではなく、今後、必要性についての議論を深めていく努力を続けたい。
補正予算は賛成多数で承認されたが、町民に対し、しっかり説明責任を果たしてほしいという議員の思いがこもっていた。まちなか再生第二幕が始まるが、広報の特集の他、「たてよこプラス」でも取り上げたい。

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